友人(がイナイ)的不安たちβ

連休中はライブ一回行ってそれだけです。トモダチイナイ。



今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

アル中になった主人公が病院で過ごした日々の話。
お酒好きの友人がこの小説を絶賛していたから読んだんだけど、中々どうして、酒好きの人はこういう世界で生きているんだなあ、と。
僕自身はお酒好きな人に対して寂しがり屋の人が多いような印象を持っています。それは、寂しさ含め、何らかの間隙を埋めるためであったり逃避の先にお酒を選ぶ性向のことだけれども、しかして今作品中でも同じようなことが語られていて、そういう理由でお酒を飲む人がアル中になりやすいらしい。もちろんそれは中島らもの意見でしかないけれど。
僕はアルコールに悪ハマリしたことが無いし、酒飲みだけが望む景色を見ることも多分一生無さそうです(というか多分酒飲みの精神を持ち合わせていないから出来ない)。バーに行って酒を飲んでいる人達の姿を見て羨ましく思うこともあります。たとえそこで一緒に酒を飲んで楽しくても、酒飲み精神までは得られんので。



純平、考え直せ

純平、考え直せ

奥田英朗だけどちょっとだけ期待はずれ。悲しさを引き立てたいんだろうと思ったんだけど、そこまでの描写が少ないような気がせんでもないです。終わり方については賛否あるみたいだけど僕はアレでいい気がします。持っていき方がねえ。助走足りてない気がする。




今読み中

郵便的不安たちβ 東浩紀アーカイブス1 (河出文庫)

郵便的不安たちβ 東浩紀アーカイブス1 (河出文庫)

批評・評論を読むのはほとんど初めて(特に現代思想については完全に初めて)だったのでとても興味深く読んでいます。90年代におけるポストモダニズムの崩壊とか、以降ゼロ年代ポストモダンについての分析をしているのですが、それらを語るときに思想史の文脈をなぞってくれているのはとても解りやすい。あと、(文章上の)定義を確認しながら説明してくれる部分もあるので助かります。例えば先述の「ポストモダニズム」や「ポストモダン」という単語が文章上明確に差異を持って語られていくのですが、ちゃんと説明があったので混乱せずに済みました。
僕みたいな一般ピープルゼロ年代を通り過ぎてようやく理解しかけた今世代の共有感覚に90年代の終わりの時点で既に気が付いていて、しかもそれを言語化して定義しているところは素晴らしいなあと思いました。ああいう界隈の人の思考の発展とか分析能力ってすげえんだなあと感心しきり。もっと書きたいことはあるけどちゃんと読んでからにしよう……。